《 和太鼓へのとりくみ 》

 太鼓。数ある楽器の中で、最も原始的な楽器です。難しい指づかいなんて関係なし。誰だってたたけばすぐに音が出る。でも、はじめて専門家から和太鼓の指導を受けたとき、私はつくづく思い知りました。太鼓をなめちゃあいけないと。

 あの日のことは忘れられません。30分ほど基本打ちをしただけで、汗はダラダラ、息はハアハア。もうとにかくヘロヘロで、打とうと思っても腕が上にあがらないのです。指も手のひらも皮がむけてしまうし、次の日は全身筋肉痛。いやあ情けない。でもそこには今まで感じたことのなかったような爽快感があったのです。

 いくつかの事がわかりました。和太鼓をやるには、まず大前提として、自分のからだがしっかり出来ていなければならないということ。取りすました気取りを捨て去らないと、基本の構えができないということ(重心をグッと下にさげる「和」の構えですね)。甘ったれた気持ちから脱却しないと、へなちょこな音にしかならないこと。音楽というのは想像以上に、人間の肉体と精神に密接にかかわってくること。その楽器が太鼓というシンプルなものであれば、その作用はよりダイレクトに伝わってくるということ。汗をぬぐいながらも、腹に力を入れて腰をすえ、ひたすら太鼓を打ち続けるうちに、何かが自分の内から湧き上がってくるのを感じたのです。もともと自分の中にありながら、ずーっと今まで意識してこなかったもの.......太古の記憶、日本人としてのDNA?「自分は今、生きている!」という、まばゆいばかりの躍動感。 この感じをぜひとも子ども達に経験させたい!

 音とは何ぞや。空気の振動です。子どもは全身が感覚器。耳で聞くというレベルを越えて、からだ全部で音を受け止めています。「僕たちがふざけてたたいた時と、先生が真剣に打った時では、同じ太鼓でも音が全然ちがう」こんな風に子ども達はおのずと気づいてゆきます。そして年長ともなると、全体の中での自分の役割といった責任感にもめざめ、立派に曲を仕上げられるようになります。その真剣な顔からは気迫すら伝わってくるほど。「可愛い可愛い」と大人たちからひたすら庇護されるだけの存在から、和太鼓へのとりくみを通して、子ども達は確実に変わっていきます。

 呼吸、心臓の鼓動、朝と夜という一日のリズム、季節をめぐる一年のリズム。生きている私たちは、まさにリズムの中を生きています。生命の律動を、和太鼓の勇壮な音を通して、しっかりからだに刻み付けてほしいと思っています。

まいづる幼稚園

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